以前から見たかった朝倉文夫の猫像を見に行った。
沢山の猫のブロンズ像の中に、
年老いて痩せ細った猫像があった。
タイトルは「愛猫 病めり」。
ああ、そうだ。と思い出した。
病んだ猫は首が細くなる。
肩の骨の輪郭がはっきりと突出し、
腹の皮は余って、息も絶え絶えに必死に立っている。
前のめりによろよろと去って行く猫の後姿を、
何度も見送った事がある。
胸に堪えた。
帰りしな根津神社に寄って、お稲荷さんに御挨拶。
一番悪戯好きそうなお狐様が妙に気になるな、と思っていたら、
帰りの切符が木の葉に変ったのか消えていた。
お近付きになれたって事だろうか。