オキテガミ

何もないことの幸せ

気が付けば、もう半月ほど誕生日が過ぎている。 この日記の書き出しに、「気が付けば」と書くのはもう何度目の事だろう。 もう誕生日なんて本人でさえ忘れている事も屡々で、特に目出度い日でもなくなっているのだけれど、何事もなくまたこの日を迎えられた…

悼む

Jóhann Jóhannsson - A Song for Europa (Live on KEXP) 先月、48歳の若さで亡くなった作曲家、ヨハン・ヨハンソン。 昨年公開された映画「メッセージ」で知って、ああ、いいな、この人の曲をもっと聴いてみたいな、と思っていたのに。 繊細で耳に残る哀し…

死者の助け

長年お世話になった恩師の死、甥の死、両親の死。 様々な形の死について、考えさせられる機会が多くなった。 これは自分が歳を重ねた結果として自然な事であるし、自分の死については割合感傷的にならずに冷静に考える事が出来るが、妻や子の事については、…

額の感触

いつもの事で、後で書き留めておこう、と思った切り、更新せずにそのまま過ごして忘れてしまう日々のあれこれ。 二人の子は無事に四歳と二歳になり、上の子はもうかなり色々と話をして意思の疎通が可能となり、殆ど親を困らせる事もなく、優しく物分りの良い…

書き残しておく理由

決して楽観的な方ではないが、自分では、大袈裟に悲観的な方でもない、と思っている。 誰にでも明日が来るわけではない、と考えているし、普段からそのように生きようと心がけてはいるが、気付くと色々と先送りしたり疎かにしている事ばかりで、この日記もそ…

 敬老の日、母が旅立った。

白血病が再発し、再入院してから四日目のことだった。 何でも我慢してしまう癖の人だったから、 医師が「全身の骨が軋むような激しい痛み」と表現した痛みでさえ、 ぎりぎりまで自宅で我慢してしまったようだ。 モルヒネの投与が遅れた為にすぐには充分な鎮…